2017年2月25日土曜日

ネイキッド 改造 その2



皆様こんにちは。
先日ご紹介させて頂きました、Gibson SG Naked P-90の改造ですが、
細かな部分ではありますが、さらに手を加えたので、ご覧ください。

今回は、「トラスロッドカバー」を変更します。
ちょっとお手軽な感じですね。

用意したトラスロッドカバーは、木製の物で、メープル材です。
それに身近な物を使いひと手間掛けてから取り付けたいと思います。

まずは、素の状態です。

結構白いです。。
このままでも似合うギターもあるかもしれませんが、
今回は、簡単オイルフィニッシュをしてみたいと思います。

まず、この木地の表面をサンドペーパーで奇麗に整えます。

それが完了したら、皆さんのお手元にもある「オレンジオイル」
を塗り込んでいきます。


ギターを弾く方にはお馴染みのこのオレンジオイル、
実は、特にギター専用品という訳ではないのです。
元々は木製家具などの仕上げや、お手入れに使う物で、
海外では、巨大なスプレーボトル等で販売されています。
それを、楽器向けのサイズのボトルにされたものを楽器店では販売しています。

というわけで、普段は指板の保湿ケアに使用しているオレンジオイルを
表面仕上げとして使ってみました。
ただし、今回はオイルフィニッシュという表面仕上げとしてなので、
たっぷりと塗り込んでいきます。
間違っても指板に同じ事はしないで下さいね。
指板ケアに使用する場合は少量を薄く伸ばして使用して下さい。

塗っては拭き取り、塗っては拭き取りを何度か繰り返すと・・・

ここまで飴色に変化しました。
上が元の色です。
結構良い色になっていると思いませんか?
これだけオイルをたっぷりと使えば、割れ防止にも繋がりますね。
実はネジ穴を広げたのですが、かなりヒヤヒヤするほど薄い板なので、
間違いなく簡単に割れると思います。

では、早速取り付け・・の前に、ノーマルの状態をご覧ください。


ブラック 1プライの物が付いています。
ちょっと高級感には欠けますね。

では、いよいよ、「木製トラスロッドカバー 自家製オイルフィニッシュ」
を取り付けてみたいと思います。


こんな感じになりました。
ロゴの色合いに近いので、バランスが良いと思います。

今回は、誰でも出来て、身近な物を使って、というコンセプトもあったので、
オレンジオイルを使用しましたが、色々なカラーのあるオイルフィニッシュ
用の塗料を使い、もっと積極的に色を付けるのもアリだと思います。

簡単に付け替えも出来るモノですし、
色々チャレンジして、気分で付け替えても楽しいと思いますよ。


では、最後に全体像を・・・


特別仕様のSGになってきましたね。

もちろん、木工加工(穴あけ等)は全くしていませんので、
元の状態に簡単に戻りますので、ノーマルをご希望の方もご安心下さい。




~お問い合わせ~
MACS大野楽器・南越谷店
埼玉県越谷市南越谷1-16-10
048-986-8686




2017年2月21日火曜日

ネイキッド 改造!



皆様こんにちは。
バイクの改造を思わせる様なタイトルですが、
ギターの話です。
先日ご紹介させて頂きました「Gibson SG Naked P-90
ですが、その記事の中で、
2本入荷したうち、1本はモディファイを考えている。と
言っていましたよね。

実は、既に1本は売れてしまい、残り1本のみとなってしまいましたが、
その最後の1本をモディファイしていますので、ご紹介させて頂こうと思います。
なぜ、「モディファイしている」と進行形で書いたかというと、
今回のモディファイで終了ではなく、少しづつ弄っていこうと考えているからです。

とりあえず、今回は、、
「ピックガードの取付」です。
せっかく剥き出しの男らしいシンプルなルックスなのに
ピックガードを付けたら普通になってしまうよ・・・。
という意見も当然あるとは思いますが、
そこを「普通」にならない様、素材等で遊んでみました。

まぁ、ご覧ください。

Gibson SG Naked P-90 ピックガード

この「Gibson SG Naked P-90」はフレット数の関係で、
通常のSGのピックガードは付きません。
つまり、ジグ(型)から製作となるいわゆる「ワンオフ」となります。

工程的には・・・
クリアファイルの様な柔らかい素材を切りながら大まかなデザインを検討し、
形が決定したところで、1.5mm厚の透明アクリルに書き写し、
それを切ったり削ったりしてジグを作ります。
次に、出来上がったジグとピックガード素材を重ねて、ルーターで切ります。
最後にエッジを斜めに落としたり、磨いたら完成です。

上の写真は、ジグが出来上がり、ギターに当てがって微調整している所です。


アクリル ピックガード べっ甲 流し込み

そんな感じで出来上がったのがこちらです。
素材には、「アクリル 流し込み べっ甲風」を採用してみました。
この素材に関しては以前もご紹介させて頂きましたが(その時の記事)

流し込みとは、元々透明のアクリルに茶色や黄色の染料を
流し込み、固めるといった工程なんです。


印刷とは根本的に違い、
奥行き感のある柄と、透明感
アクリルならではの強い光沢
流し込みという偶然性に任せた模様。
ひとつとして同じ柄は御座いません。

通常のエレキギターで使われている「べっ甲柄」のプリントされた
物とは根本的に違います。

もちろん、いろいろなギター、ベース等に合わせて作る事が出来ますので、
ご相談下さい。


アクリル ピックガード べっ甲 流し込み 製作


透明感があるのがお解り頂けますでしょうか?

一応、ネジ止めはまだしていません。
つまり、ボディにはまだ穴を開けていませんので、
最初はネイキッドらしいシンプルさを楽しみ、
後でピックガードを取り付けるのも良いのではないでしょうか?

とはいえ、ネジ止めしていなくても落ちない位に精度高く作っていますけど。。


全体の印象としては、ネイキッドの持つシンプルな魅力から、
「木材を生かしながらもゴージャス」な雰囲気になったのではと思っています。

この後も何点かモディファイしたいと思っている部分がありますので、
またこのブログでご報告致します。




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2017年2月12日日曜日

フレットバリ。





皆様こんにちは。
寒い日が続きますね。風邪などひかない様にお互い気を付けましょう!

と、、そんな寒い乾燥シーズンは、楽器も調子を崩している事があります。

今回は、その中でもここ数日ご相談が増えている「フレットバリ」について
お話をさせて頂こうと思います。

まず、「フレットバリ」とは何なのか・・・。

「フレットバリ」という呼び名は特に正式名称という事でも無いのですが、
おそらく多くの楽器専門店であれば通じる言い方だと思います。

言葉の通りなんですが、「フレットのバリが出てしまった」という意味です。

更に詳しくご説明させて頂きますと、、、

フレットは木材である指板に直接打ち込んであります。
フレットは金属、指板は木材、という異素材が組み合わさっている訳です。

そこへ、ここ最近の様な乾燥状態が続くと、

木材からは水分が失われ続け、縮みが生じます。
しかし、フレット自体は金属ですから、乾燥による変化はありません。
すると、、
指板に対し、フレットの両脇が少し飛び出た状態になります。

ネックを握り、左手をスライドするとフレットが引っ掛かる感じがしたり、
左側が正常なフレット。
右が指板材が乾燥による縮みを起こし、
フレットが飛び出した状態。
場合によっては、飛び出たフレットで怪我をする事すらあります。




ネックサイドにバインディングが施してあるギターは、
違和感を感じ取りずらく、「フレットバリ」に気が付かず、
フレットがバインディングを押す状態のまま使用してしまうので、
気が付いた時には、指板からバインディングが剥がれたり、
バインディング自体が割れてしまったりする事が多いです。

フレットに押され、バインディングが割れている
典型的な例です。

と、いう訳で、、皆さん、指板のお手入れついでに、チェックしてみて下さい。

もし、「フレットバリ」を発見してしまった場合は放置せずに、
しっかり治しておきましょう。
一度きちんと直しておけば、そこまで酷いバリは出なくなります。
(木材も永遠に縮み続ける訳ではないので・・・。)

そこで、オススメですが、
「フレットバリ」を取る作業をする際に、フレットのエッジを丸めてあげる
加工をするととても具合が良いです。

当店ではフレット交換時は必ずこの加工を行います。
非常に評判も良く、1本やった方は2本目3本目と所有しているギターを
全てお願いされるという事も珍しくありません。

写真でご覧頂きましょう。まずは通常の仕上げから。

フレットのエッジを一気に削っているので、
斜めにスパッとした断面になっています。
これでは、角が尖っているので、
ほんの少しバリが出ただけでも気になりますし、
怪我すらする恐れがあります。
続いて、当店でオススメのフレット処理をご覧ください。



しっかり丸めてありますよね。
これは一気に加工は出来ないので、
1本1本地道に手作業で加工しています。

いかがですか?
これなら安心して使えますよね。

フレットは、
摩耗による「減り」
木材の収縮による「浮き」「抜け」
乾燥による「バリ」

など、様々なトラブルがありますので、
是非ご相談ください。

フレット周りが良くなると、かなり弾きやすくなり、
本来のサウンドも引き出されます。







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2017年2月4日土曜日

至高のレスポール。




皆様こんにちは。

本日は、「至高のレスポール」というエレキギター好きなら、
思わずピクッとしてしまうタイトルですが、
ワタクシも相当チカラが入っています内容なので、是非お付き合い下さいね。


当店では、仕入れの際に、メーカーさんの協力のもと、
「選定」をさせて頂いているのですが、
まずはその模様から・・・。

LP58 ヒスコレ スタンダードヒストリック

詳しくは後程ご説明させて頂きますが、
今回は、エレキギター好きの憧れの的とも言える、
「Gibson Historic Collection Standard Historic 1958 LesPaul」
の選定です。

今回の選定はワタクシもいつも以上にチカラが入ってしまいました!

近年見られるギブソンのレギュラー品は、現代的な仕様が多く取り入れられ、
伝統的な仕様の物があまり無いので、少し寂しいと感じている所に、
ビンテージを彷彿とさせるカスタムショップ製「1958 Les Paul」の入荷ですから、
それはチカラも入るというものです。

ギブソン カスタムショップ製品は、レギュラーの物とは違い、
伝統的な技法を多く取り入れている故に、
個体差もかなりあります。

まず、解りやすいところでは「色味」
この「色」に関しては、ボディートップだけでは無く、
ボディーバック&ネック裏もかなりの差があります。
これは、伝統的技法である「アニリンダイ塗装」によるところで、
簡単に言うと、「滲み」により独特な風合いを出しているので、
どうしても通常の塗装に比べ個体差が出やすい部分となっています。

また、
「重量」も選定をする上で非常に大事な要素のひとつとなります。
好みにもよりますが、個人的にはやはり「軽め」な個体が良いですね。
もちろんバランスが優先なので、全てのギターを抱えて、弾いて確認します。

そして、「木目」
これこそ好みが別れる部分ではあると思います。
皆様も、「美人」「ワイルド」「あっさり」などなど、
色々な表現をされていますよね?
こればっかりは「フィーリング」だと思います。

最後に、最も大切な「鳴り」
これはひたすら弾き比べるしかありませんね。
今回も自信ありますよ!
かなりワイルドな鳴り方です!


と、前置きが非常に長くなりました。
それだけチカラの入った選定によって選ばれました一本を
ご覧頂きましょう!






こちらです。

Gibson Historic Collection Standard Historic 1958 LesPaul

ヒスコレ LP58 VOS 軽量 3kg台
少し下方からのアングル。
なるべく脚色の無い撮影をする為に、
照明も最小限、フラッシュも無し、
携帯電話のカメラで撮っています。

お上品な雰囲気とは対極の
ワイルドな木目です。

ビンテージレスポールはこの様な雰囲気の物が多いですよね?
この感じ、好きな方結構多いんではないでしょうか?



全体のルックスがお解り頂けたと思いますので、
次に皆様が気になる「重量」です。

なんと、、
「3.7kg」です
もちろん、バランスも最高です。
もちろん、チーズホールなどと呼ばれる肉抜きもしていません。
もちろん、きちんとデジタル秤で計測しました。
もちろん、滅多にない重量です。ほとんどが4kgを超えます。

この「重量」に関しては様々な見解があると思います。
ただ、サウンドに大きく関わる事なので、正解、不正解
という事ではなく、あくまで
「プレイをする側が狙ったサウンドを出せるか」
だと思います。

是非一度この個体を体感して頂きたいです。

生鳴りはかなりのモノです。
むしろ少し暴れるかなと思う程です。

LP58 LP59 ギブソン ヒスコレ 3.7kg 軽量 VOS レリック
VOS仕上げというマイルドなレリックです。
塗装が剝がれるようなレリックでは無く、
塗装面の光沢が自然な感じに落ち着き、
メッキパーツなどのギラツキも無い程よい風合い。


スペックに関しては、、
ビンテージ同様、チューブレストラスロッドを採用し、
指板の接着に「ニカワ」を用いて、
ギブソン社が飽くなき研究を積み重ねた結果である、
ロングスタッド並びにロングアンカーにて振動を最大限に生かし、
また、マホガニーの塗装に関しても、現代では使用されないア・・・・・


はい。スペックに関してはこの位にしておきましょう。
あまりにディープなので、、
ソッチ方面がお好きな方は、ご来店下さい。
その際にはいくらでもお付き合いいたしますので(笑)

とにかく、当店が自信を持ってオススメする
「Gibson Historic Collection Standard Historic 1958 LesPaul」
是非ご検討下さいませ。







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